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HSPとは?HSPの特性を解説【公認心理師が執筆】

HSPとは?HSPの特性を解説

 

こんにちは、Rです。

 

今回は、近年話題にのぼる「HSP」についてご紹介します。

 

自分がHSPなのでは?と思っている方や、身近な人がHSPという方は是非ご参考にしてみて下さい。

 

この記事を読むと分かること

  • そもそもHSPって?
  • HSPの特性
  • 繊細でいることのポジティブな面
  • 心理師が出会った繊細さんのお話



この記事の信頼性

 

この記事は公認心理師として働かれている方に執筆して頂きました。

 

ちなみに「公認心理師」は臨床心理系で唯一の国家資格です。

 

大学で心理学を学び、大学院や実務経験を経て、試験を受けられます。

 

非常に狭き門です。

 

この記事は心理学部卒の管理人も監修しています。

R

 

1. HSPとは?

 

HSP(Highly Sensitive Person)は、“ひといちばい敏感な人たち 1)のことで、アメリカの心理学者、エイレン・N・アーロン博士により提唱されました。

 

“ささいなことに敏感で、内的な経験を深く考える傾向があり、そのため必然的に、外の出来事に圧倒されやすい神経システムを持って生まれた人” 1) とされています。

 

有名なタレントたちがHSPを公表したり、メディアで取り上げられたりして、「とても繊細な人」「敏感過ぎる人」「繊細さん」と話題になりました。

 

アーロン博士の調査によれば、HSPは5人に1人の割合で存在することが分かっています。

 

ですが、HSPから見ると5人に4人は「とても鈍感な人」です。

 

多数派と一緒に日常生活を送るだけでも、疲れやすかったり、ストレスがたまりやすかったりと生きづらさを抱えることが多くなります。

 

このような生きづらさの原因となる繊細さや敏感さは、気にしすぎだと言われ、「気持ちの問題」にされてきました。

 

しかしそうではなく、「生まれ持った気質である」というHSPの概念は、世界中で大きな反響があり、今なお、広がり続けています。

 

2. HSPの特性

 

HSPとHSPでない人は、脳の神経システムに違いがあり、光や音などの刺激を受けた時、どのくらい神経システムが高ぶるかを比べると、HSPはHSPでない人よりも刺激に対して敏感に反応します。

 

これは生まれ持ったものであり、遺伝的に背が高い人、生まれつき太りやすい人がいるように、HSPは生まれつき繊細な気質ということになります。

 

アーロン博士は、HSPの特性を4つに分けています。

  • 深く考える:様々なことを深く考えるという特性です。
  • 過剰に刺激を受けやすい:音、光、暑さや寒さ、痛み、雰囲気などの刺激を受けやすく、ひといちばい敏感に感じ取るという特性です。
  • 感情反応が強く、共感力が高い人の考えていることや気持ちに反応し、強く共感できるという特性です。
  • 小さな刺激を察知する光や音、匂い、人の声の調子、視線など、日常生活の様々なことに細かいところまでよく気が付くという特性です。

管理人もHSP傾向です

R

 

これらはHSPの「診断基準」といったものではありません。

 

HSPは精神医学の基準、概念とは異なります。

 

精神科医は、ICD-10やDSM-5などの診断基準により診断し、治療を行います。

 

HSPは心理学者が提唱した概念ですので、精神科を受診して「HSPと診断され、治療が行なわれる」ことはありません。

 

HSPの特徴があって、生きづらさがメンタルの不調につながる場合は、その診断・治療が行われます。

 



3. 繊細さのポジティブな面、ネガティブな面 

 

ここからは繊細さのポジティブな面ネガティブな面をご紹介します。

 

繊細さと上手に付き合い、繊細さを仕事や私生活で生かせるようにしましょう。

 

 ポジティブな面

  • 様々なことを表面的にとらえるより、深く本質までつきつめたり、感じ取ったり、見抜いたりすることができます。

 

  • 研ぎ澄まされた素晴らしい感性があります。“敏感だからこそ見える世界” 2)があります。

 

  • 毎日の普通の生活をていねいに味わい、感性豊かな人生を送ることができます。

 

  • 自然と相手の気持ちが分かり、共感力が高いため、気の利く人として評価されます。

 

クリエイティブな能力も高いと言われています

R

 

ネガティブな面

  • あまり大事ではないことまで深く本質までつき詰めるため、適当に流すことができず、何事にも時間と労力がかかります。

 

  • 様々な刺激に常にアンテナを張っている状態で、敏感に感じ取るため、気が休まらず、疲れやすくなります。

 

  • 刺激に反応しやすく、少しのことで集中力が途切れやすくなります。

 

  • 共感力が高いため、人に影響されやすく、面倒な人間関係に巻き込まれることが多くなります。

 

人と接するのが好きでも、疲れ切ってしまう。。。ということもあるのではないでしょうか。

R

 

4. 私の出会った「繊細さん」

 

私が公認心理師としてカウンセリングの仕事に従事する際、HSPの考え方はとても役立っています。

 

これまで出会ったHSPと思われる方たちには、物静かな方もいますが、にぎやかで、一見、繊細な様子を感じない方もいます。

 

一歩、後ろに引いている人もいますし、先頭に立ってリーダーシップを取る方もいます。

 

共通するのは、皆、心が優しく、人への配慮に長けていることです。

 

そして疲れていることが多いと感じます。

 

ある方は、こんなことを話してくれました。

(個人が特定できないように複数の方のお話を組み合わせています)。

 

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小さい頃は、トイレの自動洗浄が怖い、風の音が怖い、と怯えていました。

 

公園で遊んでいる時に他の子が寄ってくると、びっくりして泣いてしまうこともありました。

 

学校では、教室で騒ぐ友達の声に耐えられず時々休んだり、小さな失敗を人にどう思われるかひどく心配したりして、ずっとしんどい思いをしていました。

 

その頃は誰もまだHSPのことを知らなかったため、「甘えないでがんばれ」「そんなことでは生きていけない」と叱咤激励されていました。

 

どうして皆、平気で騒いでいるのか、どうして発表や議論の場面が怖くないのか不思議でした。

 

HSPのことを知った時、これだったのかと思いました。

 

今までの体験、感じ方が他の人と違う理由がやっと分かり、色々なことが腑に落ちました

 

母は、自分の育て方の問題だと思っていたようです。

 

生まれつきの気質だと分かり安心したと言っていました。

 

そして、叱咤激励し続けたことをごめんね、辛かったねと言ってくれました。

 

今、自分が繊細な感性の持ち主だと自覚し、周囲にも伝えて、疲れない工夫をしながら生活しています。

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HSPの概念は、繊細な人たちの生きづらさを脳の神経システムから説明し、生まれ持った気質であることを説明してくれました。

 

自分が気にしすぎているのではなく、生まれ持った気質なのだと分かり、安心感を持てた方は多いのではないでしょうか。

 



5.「繊細さん」が自分に言い聞かせてほしいこと

 

繊細さが生まれ持った気質であることを知る

 

自分の感じ方を、繊細さを認め、生まれ持った気質であると知るだけで、随分と楽になります。

 

周りにもそれを共有することで快適な生活へ

R

 

感じ方に正解も間違いもない

 

  例えば自分が「うるさい」と感じているのに、多くの人が何ともない様子であると、自分の感じ方がおかしいのではないかと心配になります。

 

ですが、感じ方は人それぞれで、何か正解があるわけではありません

 

感じ方は人それぞれ、自由であり、正解も間違いもないのです。

 

5人に1人は似たような感じ方をしている

 

HSPから見ると「とても鈍感な人」の方が多数派ですが、5人に1人は「繊細さん」です。

 

思っている以上に仲間はいます

 

1人ではありません。

 

近年、HSPは広く知られるようになりました。

 

HSPでない人の中にも、HSPの感じ方を理解しようとする人がいますから、いずれ分かってくれる人に出会えるはずです。

 

自分は自分。そのままでいい

 

「気にしすぎ」だと言われると、繊細さはいけないもののように感じていたかもしれません。

 

ですが感性豊かで共感力の高い気質です。

 

変わるものでもなく、変える必要もないのです。

 

そのままの自分を大事にしていきましょう

 

相談にいらっしゃる方の中には繊細な感じ方をする方がたくさんいらっしゃいます。

 

そして生きづらさを感じ、支障があることから調べてHSPに行きつくことが多くなります。

 

ですが、見方を変えれば、HSPの繊細さは “幸せを感じるための大切なセンサー3)です。

 

こんな素敵な感性の豊かさからHSPにたどりつき、豊かな感性を磨いていくことがあることを願っています。

 

【参考文献・引用文献】

 

1)  エイレン・N・アーロン著 明橋大二訳. ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき. 青春出版社,  2020

 

 

2) 長沼睦雄. 敏感すぎて生きづらい人の明日からラクになれる本.永岡書店,2017 

 

 

 

3) 武田友紀. 繊細さんが「自分のまま」で生きる本. 清流出版,2019

 

 

 

4) 高田明和. 脳科学医が教える他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法.  幻冬舎,2017

 

 

 

最後に

 

以上、「HSPとは?」でした。

 

いかがでしたでしょうか。

 

管理人は自身の気質を見つめ直すきっかけになりました。

R

 

HSPの方も、身近にHSPの方がいらっしゃる方にも参考になれば幸いです。

 

ではまた他の記事でお会いしましょう!

 

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