恋愛で使える心理学、対人魅力に繋がる「類似性」とは?
こんにちは、Rです。
今回は恋愛で使える心理学として「類似性」についてご紹介します。
早速見ていきましょう!
この記事を読むと分かること
- 対人魅力に繋がる「類似性」とは?
- 類似性を用いるメリット・デメリット
- 実際にあった話
この記事の執筆者
この記事は、心理学部を卒業し、大学院でも心理学を専攻されている方に執筆してもらいました。
記事の最後には参考書もご紹介しています。
心理学部卒の管理人も監修しています。
対人魅力の規定因「類似性」とは?
私たちが他者に対して抱く好意的な、あるいは否定的な態度のことを「対人魅力」と言います。
この対人魅力にはいくつかの規定因(きていいん)が存在します。
ここでの「規定因」とは「対人魅力を左右する要因」のことです。
今回は、その中でも「類似性」に焦点を当ててお話をしていこうと思います。
類似性とは、自分と相手が似ているということが親近感を生み、好意につながりやすくなる効果のことです。
類は友を呼ぶという言葉があるように、自分と同じような趣味を持っている、考え方や価値観が似ている相手とは自然と仲が良くなりやすくありませんか?
貴方と特別、仲がよいご友人について少し思い浮かべてみてください。
きっと類似点が多いのではないでしょうか?
これは、恋愛においても大いに生じ得ることです。
「趣味が合う」「意見が一致している」「食の好みが似ている」ということで、会話も弾みやすく、仲が深まりやすく、気が付いたらお互い好意を抱いていた、なんていう経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
つまり、相手と自分の共通点を見つけることや、相手との共通の趣味を作ることを通して、類似性を高めると相手との距離を縮めることが出来るかもしれないのです!
類似性についてさらに詳しく解説
類似性とは先にも述べたように、対人魅力の規定因となっています。
今まで、多くの研究者によって、この類似性が対人魅力に影響を与えることについての実験が繰り返されてきました。
ここからは難しいかもしれませんが、↓少し進むと図解しています。
ニューカムは、大学の寮に入ってくる新入生を対象に、半年にわたって親密化の過程を調査し、自分の態度と類似している人が友人になる傾向を見出しています。
彼は、この結果を認知的斉合性理論の立場から、A-B-Xモデルを用いて説明しています。
このモデルでは、態度の一種である魅力が、相互関係を持つ2人(A,B)と共通の対象(X)を含む3者間で、常に安定した方向に維持あるいは変化するシステムと考えられています。
そして、3者の関係はプラスとマイナスの符号で表され、3つの符号の積がプラスならば安定、マイナスならば不安定な状態ということになります。
例えば、貴方(A)は、愛犬家で、犬(X)が大好きだとします。
この時のAとXの関係は、プラス(+)の符号で表されます。
同様に、友人(B)も、愛犬家で、犬(X)が大好きである場合、BとXの関係もプラスです。
このような時、貴方(A)と友人(B)の関係はどうなるでしょうか?
おそらく、とても友好的な関係を築くことが出来ると考えられます。
何故なら、先ほどのA-B-Xモデルの考えを用いると、AもBもXに対して+の感情抱いており、3者の関係の符号の積が+となる為、安定の状態であると言えるからです。
このように、お互いの意見が一致しているということには、相手からの好意を引き出す効果があるのです。
では、お互いに嫌いなものが同じであった場合はどうでしょうか?
実はこれも好意を引き出すことにつながります。
例えば、貴方(A)はからいもの(X)が苦手で、相手(B)もからいもの(X)が苦手としましょう。
この時、AとXの関係、BとXの関係はどちらもマイナス(-)で表されます。
すると、3者の関係の符号の積は、マイナス×マイナスでプラスになり、2人の関係性は安定した状態であると言えます。
このように、相互に同じ対象に不快感を持っているということも、意見の一致である為、好意を引き出し、関係性を安定させることにつながるのです。
嫌いな食べ物が同じだと上手くいくと言われています。
類似性のメリット/デメリット
ここからは、類似性を用いることのメリットとデメリットをご紹介いたします。
メリット
類似性を用いることのメリットとしては、類似性が高い相手とのコミュニケーションをとることは比較的簡単であることです。
類似性を用いるために、恋愛に関する心理学の本を読んだり、会話のスキルを磨いたりする必要はありません。
何もせずとも、類似性が高い相手とは、共通の話題を持っていることや、類似した体験をしていることなどが考えられます。
コミュニケーションが自然ととれる、これが一番のメリットであると思います。
デメリット
一方デメリットは、最初に述べたように対人魅力の規定因は複数存在するのにも関わらず、類似性を高めることだけに固執してしまうことが挙げられます。
相手との意見を合せることも大切ですが、YESマンに陥ってしまうことは控えたほうがいいでしょう。
「貴方の意見って何処にあるの?」と不信感を抱かせてしまうかもしれません。
貴方が心から好きと思えるものを、貴方と同じようにそれが好きな人と繋がっていくことが自然なコミュニケーションにつながるでしょう。
悪口などの「ネガティブな内容の類似性」で仲良くなることも、出来るだけ避けたいですね。
類似性を用いた実体験
これは友人の実体験についてのお話です。
大学生になり、友人は新しいアルバイトを始めました。
友人はその職場で現在の恋人との出会いを果たしました。
友人が始めたアルバイト先には、同時期に友人の他に何名かの新人が採用されていて、複数の新人が同時に働き始めることになりました。
友人は新人研修の時に、隣に座った同期の1人に「これからよろしくお願いします」とあいさつとして声をかけたそうです。
その日から、シフトが被っている日などには、お互いを見つけると挨拶をするような仲になっていきました。
ただ、この時はまだ声をかけやすい同僚というだけで、特別仲がよかったわけではなかったようです。
友人はもっと相手と仲良くなりたいと思っていたようですが、なかなかタイミングや話しかけ方がわからず、日々悩んでいました。
そんな時でした。
ある日、友人がいつも通り仕事をし、休憩時間になったので、休憩所へ向かうと、先に向かっていた同期が、友人の好きなアーティストの動画を視聴していたのです。
友人は思わず「それって!」と声をかけると、2人は意気投合しました。
それ以来、休憩時に音楽の話をしたり、連絡先を交換しシフトが一緒でない日にもSNSを通じて交流したり、休日はCDを見に出かけるような仲になっていったそうです。
2人で過ごす時間が増え、お互いの類似性に気が付き、親近感も高まっていくうちに、気づけばお互いに好意を抱いていて、2人はめでたくお付き合いをすることになりました。
最初はただの同僚であった2人が仲を深められたのは、類似性が関係している可能性が高いのではないでしょうか。
友人の場合、たまたま同じアーティストが同じであったということをきっかけに共通の話題が生まれ、会話する時間が増えました。
そして、会話を通し、仲が深まったことで、職場内だけでの関係ではなく、連絡をこまめに取り合うようになったり、休日に出かけるようになったりするように進展していったという訳です。
このように類似性は対人魅力に大いに影響を与えます。
類似性をうまく活用して相手との距離を近づけましょう
以上、対人魅力の規定因の1つである類似性について説明してきました。
この記事を読んでいる貴方、気になる方はいらっしゃいますか?
もしいらっしゃるのであれば、お相手との距離を縮める為に共通の趣味や話題を探してみてはいかがでしょうか?
また、「今は気になる相手がいないんだよね…何処かにいないかなぁ…」と思っていらっしゃるそこのあなた、共通の趣味を持ったお相手を探してみるのはいかがですか?
同じものを持っている類似性の高い相手とのコミュニケーションは自然に行いやすく、意見の対立も起きづらいことが考えられます。
まずは最初の一歩、ご友人としてよい対人関係を築いていくところからはじめてみてはどうでしょう?
皆さんに素敵な出会いがありますように。
参考文献
「ワークショップ人間関係の心理学」 藤本忠明·東正訓(編)2004年 ナカニシヤ出版
まとめ
以上、「恋愛心理学で役に立つ類似性について」でした。
いかがでしたでしょうか。
また他の記事でお会いしましょう!
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