HSPはリーダーシップを発揮できる?繊細さんのリーダー論
こんにちは、管理人Rです。
この記事では、繊細なHSPさんはリーダーシップを発揮できるのか、繊細さんのリーダー論を解説する記事です。
自分は繊細すぎるのでリーダーが向いてないのでは?、今リーダーで辛い…という方に参考にしていただければと思います。
この記事の信頼性
今回記事を書いてくださったのは、K.Dさんです。
K.Dさんは、大学時代に心理学専攻で、主に産業心理学(組織心理、リーダーシップ、消費者心理、HSPなど)を勉強していたということです。
心理学専攻卒の管理人も監修しています
この記事を読むとわかること
- そもそもHSPとは?
- 心理学的にリーダーシップとは?
- HSPがリーダーシップを身につける方法
それぞれ詳しく見ていきましょう!
1. そもそもHSPとは?
HSP(エイチ・エス・ピー)とは、「生まれつき」人一倍感受性が強く、敏感な気質をもった方のことです。
正式名称は「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」といいます。
HSPは病気ではなく、生まれ持った「性質」なので、一生付き合っていく必要があります。
HSPさんの持つ特性には、共感能力の高さ、思考の深さ、音や光など刺激への敏感さなどがあります。
HSPは統計的には人口の15~20%おり、特に繊細な日本人には多いのではないかと言われています。
HSPの特性は非HSPの方に共感を得ることが難しく、約8割いるHSPでない人たちとの差に自己嫌悪や生きづらさを感じる方も多いです。
特に、職場や家庭など集団生活の中で気疲れしてしまいます。
無理をしすぎるとうつ病などの精神疾患を発症してしまう原因になりますので、刺激に対する自己コントロールが必要です。
また、HSPには下記のように4つの種類があります。
- 内向型HSP『HSP』
- 外向型HSP『HSE』
- 刺激追求・内向型HSP『HSS型HSP』
- 刺激追求型・外向型HSP『HSS型HSE』
基本的には1人の時間を多く作ることで回復するHSPさんですが、中には外交的なHSEさんや好奇心旺盛なHSS型さんもいます。
HSEさんは人との触れ合いから、HSS型さんは新しい刺激から元気を得ますが、刺激が過多になると疲れてしまいますので自己コントロールが必要なところは同じです。
気質だけでみれば、HSPさんは優しく共感能力が高いのでリーダー向きです。
ですが、リーダーという役割自体が刺激が強いので、特にリーダーに向いているHSPさんは好奇心旺盛で外交的なHSS型HSEさんです。
2. HSPさん向け!心理学におけるリーダーシップとは
ここでは、心理学におけるリーダーシップ理論について解説していきます。
リーダーシップとは、「リーダーが集団目標達成にとって役立つ積極的な影響を与えること」です。
フォロワー(メンバーや部下)との間に形成される相互作用の過程が重要になってきます。
HSPの場合、高い共感性を持ち、人に奉仕することができるので、コンセプト理論の中のサーバントリーダーシップが一番しっくりくるのではないかと思います。
コンセプト理論では、環境やメンバーの状況に応じたリーダーシップの取り方のパターンをあげています。
サーバントとは召使いという意味です。
サーバントリーダーシップとは、リーダーが自らの私欲を捨て、フォロワーが成長することに注力するリーダースタイルということです。
意思決定と責任はリーダーが持ちフォロワーを支える。
フォロワーは実務で顧客にサーブします。
この理論を参考に、HSPさんがリーダーをする時には、気質を活かし、周囲に貢献するとともに、実務面では遠慮せず周りを頼るようにしましょう。
縁の下の力持ち的なリーダーが合うということでしょう
3. HSS型HSEがリーダーになるメリット/デメリット
好奇心旺盛で活動的、周りの人に気を配ることができる気質からリーダーに推薦されることの多いHSS型HSEさんですが、実は結構リーダーに苦手意識がある方が多いんです。
周りからはアクティブに見られますが、その裏で疲れたり傷ついたりしています。
自分の二面性に悩んだり、疲れてぐったりしているのです。
ここで、HSS型HSEさんがリーダーになるメリットとデメリットをそれぞれご紹介します!
HSS型HSEがリーダーになるメリット
- うまくいけば自信につながる
うまくいけば自信が持て、自己肯定感が上がります。
このまま勢いにのってあれこれこなしてしまいましょう。
- 人一倍達成感や幸福感を得られる
よくマイナス要素を強く受け取ってしまうことだけに着目されがちですが、HSPさんは感受性が豊かなので、うまくいった時は達成感や幸せも感じやすいです。
- 主導権を握れれば自分の心地よい環境にコントロールできる
主導権を握れる環境であれば、自分が心地よい組織に調整していくこともできます。
HSS型HSEがリーダーなるデメリット
- 協力関係がないと破綻し自信を失う
そもそも協力関係がない組織はHSPさんに向いてないので、早めにフェードアウトしましょう。
無駄に自信を失う前に、逃げるが勝ちです。
- 組織内外ともに人との関係性に気疲れする
もちろん、社内外ともにコミュニケーションの機会が増えます。
内向型HSPさんの場合、ずっと続けると負担になる場合があります。
- 大勢の前で話す機会が増える
人前だと緊張しやすい方が多いので、どっと疲れることも多いようです。
- バーンアウトする
ある日突然スイッチが切れてしまいます。
周りにも迷惑がかかってしまうので、これは一番避けたいですね。
HSPさんは基本的に協力関係がある環境じゃないと長期的にどんどん苦しくなってしまいます。
協力関係がない場合、自信を失ってしまうだけなので、HSPさんがリーダーになるのはやめておいた方が賢明です。
また、そもそもHSPさんは協力関係がない環境では消耗してしまい向かないので、思い切って環境を変えるのも一つの手です。
4. HSEである筆者の体験談
かくいう私もHSEです。
人と接することが好きな反面、販売や接客業など様々な経験をしてきましたが、非常に疲れやすい気質を持っています。
リーダーを経験したこと、人気者になったこともありますが、最終的には疲れ果ててしまい、自分で今まで一生懸命作り上げたものを全て投げ捨てたくなることもありました。
ネット上のコミュニティですが、実際に放棄してしまったこともあります。
私が全てのHSPさんに意識して欲しいのは、決して無理しないでね、ということです。
責任感の強いHSPさんたちは、人一倍罪悪感や疲労感を感じやすいです。
しかも、自分から苦手なことを克服しなくては!と考える真面目な方が非常に多いです。
自分が犠牲になることで、周りの方はハッピーになるかもしれませんが、潰れてしまっては回復まで時間もかかりますし、かえって周りに迷惑がかかってしまいます。
そうなった時に自己嫌悪に陥りやすいのもHSPさんの特徴ですね。
そもそも、内向的な方が長期的に外交的な振る舞いをすると、何倍も精神を病みやすくなってしまいます。
全部が全部1人でできなくてもいいんですよ。
やるにしても周りの方とたくさん協力して話し合ってくださいね。
疲れ果てた自分を追い詰めるのも、ケアしてあげるのも自分しかいませんから。
5. HSPさんは全てのリーダーができないわけじゃない
HSPさんがリーダーをすることには、リスクがあることもご理解いただけたかと思います。
ですが、リーダーをすることでさらなる幸福を得られる可能性もあります。
HSPだから、と諦めてしまう方もいますが、決して何もできないということはありません。
大切なのは、自分がやりたいかやりたくないかです。
自分の好きな趣味や夢のグループでのリーダーだったら、やってみたいな!と思いませんか?
周りの方の力を借りながら、自分のやりたいこと、したいことをリーダーの力で叶えてみるのも良いかもしれませんね。
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まとめ
以上、「HSPはリーダーシップを発揮できる?繊細さんのリーダ論」でした!
ポイント
- リーダーに向いているHSPタイプは、HSS型HSEさん
- 環境が整えば、リーダーができる
- 1人で無理せず、周りに頼ろう!
この記事で参考にした文献
「サーバント・リーダーシップの諸理論と事例研究」桜美林大学大学院 国際学研究科 博士後期課程 劉 炳燮
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