交流分析とは?【心理カウンセラーが執筆】
こんにちは、管理人Rです。
今回は、「交流分析」についての記事です。
「そもそも交流分析って何?」という方から、改めて交流分析について理解を深めたい方まで様々な方にお読み頂ける記事になっています。
この記事を読むとわかること
- 交流分析とは?
- 交流パターン分析って何?
- 交流分析を学ぶメリットって?
この記事の信頼性
今回この記事を書いてくださったのは、T.Hさんです。
T.Hさんは、17年間看護師としておもに病院で働き、現在は「交流分析」と「ゲシュタルト療法」を中心にオンラインで心理カウンセラーをされています。
心理学専攻卒の管理人も監修しています。
それでは早速見ていきましょう!
1.交流分析とは?
交流分析とは、1950年にアメリカのエリック・バーン博士により開発された心理学です。
分析の対象は、人と人との「交流」です。
人間関係において基本となる理論です。
「自我状態」「交流パターン分析」「感情と偽物の感情」「禁止令と拮抗禁止令」「人生脚本の理論」があります。
なんだか難しそうな単語がたくさん出てきましたね、、、
もう少し見ていきましょう
ポイント
- 自我状態
- 交流パターン分析
- 感情と偽物の感情
- 禁止令と拮抗禁止令
- 人生脚本の理論
それぞれ詳しくご紹介していきます!
自我状態
心の中って複雑だと思っていませんか。
交流分析では、心を「P(Parent:親的な自分)」「A(Adult:大人の自分)」「C(Child:子供の自分)」の3つに分けます。
Pは「CP(厳しい親)」と「NP(自然な親)」の2つがあります。
CPは「○○しなければならない。」「○○しなさい。」という指示、命令的な心。
NPは母性的な優しさを持った親の心です。
Aは冷静な判断ができる大人の心。
例えば「渋滞しそうだから早めに出発しておこう」など状況などが冷静に判断できることです。
そしてCは「NC(自然な子供)」「CC(良い子)」「RC(反抗的な子)」の3つがあります。
CC(良い子)とRC(反抗的な子)を合わせてACと言います。
NCは自由で自然な子供の心です。
「CC(良い子)」とは本当は従いたくない気持ちがあるのにいい子になって従う心です。
「RC(反抗的な子)」とは、言われたことなどに対して「いやだ!!」と反抗する心です。
自我状態とは、人の心がこの6つのどれか1つにいる状態。
社会的な状況、家庭、話している相手などさまざまな刺激よってどこにいるかは変わります。
無意識にコロコロ変わっています。
自我状態が「CP(厳しい親)」か「AC=CC(良い子)+RC(反抗的な子)」にいるときはストレスを感じやすいです。
自身がどの状態か調べてみましょう!
交流パターン分析
「交流パターン分析」とは、自我状態の交流のことです。
交流の仕方にはルールがあります。
もし自分がCPで人に関わると相手はAC(CCかRC)で反応します。
また、NPで人と関わると相手はNCで反応します。
「CP(厳しい親)」⇄「CC(良い子)」「RC(反抗的な子)」
「NP(自然な親)」⇄「NC(自然な子供)」
ですね
自分に置き換えてみたらわかるのではないでしょうか。
親から、「NP(自然な親)」の状態で普通に「ごはんよー」と言われたら、「NC(自然な子供)」の状態で普通に「はーい!」と返事して食事が始まります。
でも、「はーい!」と言ったあと、食卓に行かずにゲームを続けていたら、親はどうなるでしょうか・・・。
場合によっては「CP(厳しい親)」になり「ごはんって言ったでしょう!!」と怒り出し、子供は「CC(良い子)」になり「(しぶしぶ)はい」と言うか、「RC(反抗的な子)」で「うるさい!」と反抗するでしょう。
どっちにしろ、気まずい食事になりますね。
そしてAで人と関わると相手もAで反応します。
Aは(Adult:大人の自分)でしたね
円滑な業務連絡などはこの状態と言えます。
人と関わるときに、自分の自我状態がわかると相手の反応がわかります。
逆に相手の自我状態がわかると自分の自我状態もわかります。
自我状態がわかるようになるとトラブルが減らせることにつながりますね。
ちなみに、交流パターン分析は、対人の場合と自分一人の中で起こる場合があります。
自分一人の場合は内部交流といいます。
人生脚本
「人生脚本」とは、生まれたときからその人の人生の脚本は決まっているという理論です。
「そういう考えや理論があるんだなあ」と知ってもらえればと思います
0歳~3歳は自分の「存在」「価値」についての考え方や感じ方が決まる時期。
親とのスキンシップなどの非言語コミュニケーションが関わります。
3歳~9歳は、「こんな気持ち、こんな感覚になったとき、自分はこう考え、こういう行動をする」という自分ルールが決まる時期。
9歳~16歳は、それまで決めたルールを決定的なものにする時期。
そして16歳以降は決定したルール通りに生きることで人生脚本を強化しています。
同じ失敗を繰り返したり、躓いたりするのはそうなるように人生脚本ができてしまっているからです。
人生脚本を変えることは難しいですが、変えることは可能です。
禁止令と拮抗禁止令
親からの無言のメッセージによってできたものが「禁止令」。
でも、親も人間である以上、これは仕方がないことです。
ただ、これは人生脚本を強化することへ大きな影響を与えてしまいます。
禁止令は13個あるといわれていて、「存在するな」「重要であるな」「成長するな」「成功するな」「考えるな」などがあります。
禁止令があることで、「自分には価値がない。」「自分は成長してはいけない。」「自分は成功してはいけない。」などの考えが生まれてしまいます。
禁止令に拮抗するのが「拮抗禁止令」。
人間は、禁止令を感じると苦しくなるから拮抗禁止令で禁止令を隠しながら生きます。
拮抗禁止令は、「○○しなければならない。」「○○しなさい。」という命令的なものです。
拮抗禁止令の命令をこなすことで親や人から受け入れられると思い、自分には価値があるということにできるのです。
拮抗禁止令の特に強いものを「ドライバー」と言います。
ドライバーには「一生懸命頑張れ」「人を喜ばせろ」「強くあれ」「完璧であれ」があり、そのすべてに付くのが「早く」。
これは、身に覚えのある人が多いのではないでしょうか。
社会的には当たり前なことで、社会に認められる行動ですね。
しかし、ドライバーが強い状態が続くとストレスが溜まってしまうというからくりです。
感情と偽物の感情
交流分析での感情は「怒り」「悲しみ」「恐れ」「喜び」の4つです。
本当の感情を感じることで心はスッキリします。
ところが、厄介なのが「ラケット感情」。
ラケット感情は、本当の感情を感じなくするための邪魔ものです。
たとえば、イライラして怒ったり愚痴ったり、怒鳴ってもすっきりしない、なんてことありませんか。
このとき、イライラした感情を「怒り」だと思いがちです。
しかし、「本当はこうしてほしかった。こうだったらよかった。でも、そうならなかった。」という「悲しみ」の感情がある可能性があります。
悲しい気持ちを感じられたら心はスッキリできますね。
思いっきり喜ぶことも大事なことですし、思いっきり悲しみを感じたり怒りを感じることも大事なことです。
2.交流分析を学ぶメリット・デメリット
交流分析は、わかりやすく、自分や他者に置き換えて考えるとさらに理解が深まる点がメリットです。
人が一番ストレスを感じやすい人間関係をよくするにも役立つ理論。
でも、「禁止令」「人生教本」があるから自分の人生はよくないという考えに陥りがちなのがデメリットです。
そうではなく、自分の「禁止令」「人生脚本」に気づいたら、それと向き合うことで人生をより良いものに変えられます。
3. 筆者の身の回りの体験や経験
私は、母親から十分な愛情を受けずに育ちました。
いわゆる、「毒親」。
それ自体を受け入れるまでに時間がかかりました。
母親からの無言のメッセージが多く、自己肯定感は皆無。
自分の根っこの部分にあった禁止令は「存在するな」や「成長するな」でした。
子供のころは母親の機嫌を損ねないように「良い子(CC)」の状態。
それが大人になっても続いていました。
家でやっていることは、社会にでてもやっているのです。
ドライバーが強くて仕事も嫌になり休職したことも。
心理カウンセリングを受けることで親子関係や禁止令など一つ一つ受け入れていきました。
そして、自分の感情を出すことへの許可ができ、自分の存在価値への否定感が減って生きました。
一人暮らしを始め、母親と物理的に距離を置くことに成功。
今まで人の中にいても一人だと感じていたけれど、今は、素の自分でいられる仲間もできました。
やりたいこともみつかり、今は20年間やっていた看護師を辞めて心理カウンセラーになりました。
4. 最後に
交流分析を含め、心理学とは人間が生きていくうえで「軸」となるものです。
私は交流分析を知り、今までの自分の「思考、行動、感情のパターン」もわかりました。
人生脚本も変わったと思います。
人生をよりよいものにするためにも交流分析を知ってほしいです。
参考図書
「TO TODAY:最新・交流分析 第2版」イアンシュチュアート(著),ヴァン・ジョインズ(著),深澤道子(翻訳),篠﨑信之(翻訳)
まとめ
以上、「交流分析とは」でした!
いかがでしたでしょうか。
まとめ
- 交流分析とは、人と人の交流を分析する
- 「P(Parent:親的な自分)」「A(Adult:大人の自分)」「C(Child:子供の自分)」に分けることができる
- 感情を感じ切って、人生脚本を変えていこう
最後までお読みいただきありがとうございます。
また別の記事でお会いしましょう!